なぜ社内改革は“古株の中間管理職”に止められるのか DXは成功しているのに、納得感が広がらない理由

記事
吉田 壮汰

DXは成功しているのに、なぜ空気が重いのか

ワークフローを変えて、ツールを導入して、業務は効率化されて数字も改善している、なのに現場の空気がどこか重い。

そのようなお話をよく聞きます。

改革は間違っていないし成果も出ているのに、「前よりやりづらい」という声が出るのはなぜなのでしょうか?

経営は喜び、現場はモヤモヤする構造

DXの多くは、無駄を減らし処理速度を上げて、生産性を高めることに成功します。

しかしその結果、効率が上がった分新しい業務が入って、結局業務量は変わらない!なんてことになっていませんか?

現場からすると、「楽になった実感がない」となってしまうのです。

経営側から見ると、

  • 生産性が上がった
  • 利益が改善した
  • 再投資ができる
  • 給与や働き方にも還元できる

と、ポジティブな成果です。

でも現場は、「前より楽になった感覚はない」「むしろ覚えることが増えた」と感じている……ここに温度差が生まれているのではないでしょうか。

これは改革が失敗しているわけではなく、『納得の設計』が不足しているのです。

なぜ“声の大きい古株”が石を投げてくるのか

そして必ず出てくる存在がいます。
「俺たちのやり方でよかったんじゃないか」と言い出す古株の中間管理職です。

でも彼らは、単に反対したいわけではないのです。現場のモヤモヤを代弁して、このように発言しています。
その“民意”を盾にすることで、自分の立場を守ろうとしているんですよね。

結果として、改革に石を投げてくるのです。

そして一度でもこの反発が強くなると、次の改革はやりづらくなります。
「あのとき揉めたから」「また反対されるかもしれない」という空気が残ってしまうからです。

すると、継続的なイノベーションが難しくなるのです。
これは非常にもったいないですよね。

必要なのは制度改革ではなく、納得設計

多くの組織が見落とすのはここです。

改革そのものは正しい。
でも、

・なぜやるのか
・どんな葛藤があったのか
・会社として何を目指しているのか

が共有されていない。

改革はロジックだけでは進みません。物語と文脈が必要なのです。
なかなか分かりづらいですが、『現場に納得感を持たせられるか』がイノベーションの継続性を左右します。

社内広報という“推進設計”

イントラネットや社内報、オウンドメディア、タウンホールミーティング等、皆さんの会社にも情報発信の場があると思います。
それらは改革の狙いや意図、葛藤、背景を共有する重要な場です。

現場が「知らなかった」状態をなくす。「勝手に決まった」と思わせない。

この設計があると、納得感が生まれ、改革への支持は広がります。

第三者目線で行うインナーブランディング

とはいえ、推進担当者が自分で語ると、どうしても“当事者バイアス”が入ります。
意図は正しくても、現場には伝わりきらないんですよね。

だからこそ、第三者目線で構造を整理し、意図を言語化し、現場との橋渡しをする役割が必要とされています。

そこで必要となるのが、PMです。
PMが全体像を見える化し、改革を前に進める存在として、推進担当者と共にインナーブランディングを設計していくべきです。

まとめ:PMと共に設計していくこと

もし今、「改革は正しいのに、なぜか空気が悪い」と感じているなら、問題は制度ではなく『納得の設計』かもしれません。

イノベーションを継続させるには、見える化と推進、そして社内への文脈共有が必要です。

一人で抱えず、PMと共に推進していくことが、成功の近道です。


rayoutでは、課題のヒアリングからプロジェクトサクセスシートの作成までを無料で行っています。
もちろんこのようなインナーブランディングを第三者目線で行うことも可能です。
自社の体制や施策が今どの状態にあるのか、まずは整理・診断するところからでも構いません。
お気軽にご相談ください。

執筆者

吉田 壮汰

吉田 壮汰

rayout株式会社 代表取締役

rayout株式会社 代表取締役。広告営業や経営者への取材・ライティングを経験したのち、26歳で動画制作のクラウドソーシング事業を行う企業にて執行役員に就任。事業を立ち上げ、4億円規模まで事業責任者として携わる。2019年にrayout株式会社を設立。社内プロジェクトの遂行を担うPMO事業を展開し、500社・2,400件以上のプロジェクトに伴走。

一覧へ戻る

おすすめ記事

一覧へ戻る