ひとり広報で限界を感じたときに起きていること 手ごたえがない理由は「整理不足」かもしれない

記事
馬場 航

「一人でなんとかしないと」と思っていませんか

一人で広報を任され、専任として期待されている。
だからこそ、「自分がやらないといけない」と抱え込んでいる方は多いのではないでしょうか。

広報を立ち上げてすぐ、よく聞くお悩みとして、

  • 発信のネタが集まらない
  • 経営企画、総務、採用等、部署ごとにバラバラに発信を行ってしまっている
  • 発信内容の社内調整に時間がかかる
  • 社外のみならず、社内にも経営サイドの考えを発信しなくてはいけない

といった声をよく聞きます。

前に進んでいる実感がない……
そんな状態なのではないでしょうか。

発信しているのに、なぜ手応えがないのか

記事を書いてみたり、SNSを動かしてみたり、ひとまず発信はしてみていても「これでいいのか分からない」という感覚が残っていませんか?

その背景にあるのは、“何を伝える会社なのかが揃っていない”状態です。

自社の事業の本質や、大切にしている価値観が言語化されていないため、発信内容が薄くなってしまっていることがよくあります。

経営の考え、現場の実態、採用で伝えたいこと・・・など、それぞれが一本の線になっていないので、発信しても手応えが出にくいのです。

広報に集まりすぎる役割

ひとり広報の場合、

  • 情報を集める
  • 内容を理解する
  • 関係者と調整する
  • 言語化する
  • 発信する

といった一連の流れ、さらに

  • 経営の意図を汲む
  • 現場のリアルを拾う

といったことを等、全部を一人で担うことになります。

つまり、
“整理しながら伝える役割”を一人で持っている
という、かなり負荷の高い状態になってしまっているんですよね。

これではなかなか施策を進めるのも大変ですよね……

なぜ言葉がまとまらなくなるのか

どう社内外に伝えたら良いか、頭では理解していても、言葉が出てこないことはありませんか?

「情報が足りない」のではなく、「情報がバラバラなまま」というケースが多いです。

各部署や経営層、それぞれの前提が揃っていないまま、一つの文章にしようとしてしまっているので、違和感が残っている可能性があります。

“広報の問題”ではなく“整理されていない状態”

このような状況のとき、多くの人が「自分のスキルが足りないのではないか」と考えますよね。
でも実際には、違うことが多いです。

広報がうまくいかないのではなく、
「そもそも整理されていないものを伝えようとしている」
という状態に近いのです。

では、どのように整理していけばよいのかを、4ステップで紹介します。

① 「広報として何を実現したいか」を言語化し、経営層と握る

まずは、「広報を通じてこの会社をどう変えたいのか」を徹底的に言語化しましょう。
単に「認知度を上げたい」といった抽象的な言葉ではなく、「経営課題の解決に広報がどう寄与するか」という視点が不可欠です。

この言語化したビジョンを経営層にぶつけ、認識のズレを解消してください。
トップの「広報への期待値」を明確に握ることで、その後の社内調整において強力な後ろ盾を得ることもできます。

② 各部署の代表者を集め、バラバラな発信を「棚卸し」する

経営企画、総務、採用、営業など、それぞれの部署が勝手に発信を行っている状態は、ブランドイメージを毀損するだけでなく、情報の重複や機会損失を招きます。

各部署の代表者を集め、今、誰が・どこで・誰に向けて・何を発信しているのかをすべて洗い出し、現状をスッキリさせましょう。

③ 広報のビジョンを伝え、現場の協力を取り付ける

棚卸しの次は、各部署との合意形成です。

広報が目指すビジョンを伝えつつ、現場が発信したい内容(現場のニーズ)と丁寧にすり合わせを行います。

ここで大切なのは、「なぜ各部署が独断で動いてはいけないのか」という理由(ブランドの一貫性やリスク管理など)を誠実に、かつ明確に伝えること。
「制限する」のではなく「広報が介在することで、より成果が出る形にする」というメリットを強調し、現場を「味方」に変えていきましょう

④ 具体的な「発信フォーマット」を構築する

各部署に協力を仰ぎながらも、広報の質を担保するために、具体的な運用フローとフォーマットを整備しましょう。

  • SNS運用: 投稿のトーン&マナーや、ネタ出しのフロー
  • 社内広報: 現場から情報を吸い上げるためのヒアリングシート
  • 記事制作: 構成案のテンプレートや、確認のプロセス

これらを「誰がやっても同じ質で回る仕組み」として型化することで、「記事を書く作業者」から、「発信をコントロールする指揮者」になれます。

第三者が入ると、何が変わるのか

とはいえ、経営層や多くの部署を巻き込むこのプロジェクトを一人で進めていくのは不安!と感じる方もいるでしょう。

このような状況をスムーズに進めるのには、「第三者」が入るのも一つの手です。

社内のしがらみがない第三者は、複雑な状況をフラットに整理できます。
「今、何を伝えるべきか」という確かな軸が、短期間で見えてきます。

それだけでなく、第三者は立場や関係性に縛られず客観的立場の意見として発言することができます。
他部署へのルール徹底など、社内の人間が言うと角が立つことも、「客観的な意見」としてなら、周囲も納得感を持って受け入れられます。

あなたが一人で矢面に立つ必要はありません。
第三者が論理的な裏付けを持って調整の土台を作ることで、本来やりたかった実務に集中できるようになります。

広報は“仕組み”として動き出す

これらを行うことで、ひとり広報でも個人の頑張りから抜け出せるようになります。

  • どこから情報を集めるのか
  • 誰が判断するのか
  • どう発信につなげるのか

こうした流れが整ってくると、

広報は“その場しのぎの対応”ではなく、仕組みとして回り始めます。

目の前のことを一人で何とかしようとするのではなく、一度立ち止まって、
「整理する視点があるかどうか」
を見直してみてもいいのではないでしょうか。


rayoutでは、課題のヒアリングからプロジェクトサクセスシートの作成までを無料で行っています。
自社の体制や施策が今どの状態にあるのか、まずは整理・診断するところからでも構いません。
お気軽にご相談ください。

執筆者

馬場 航

馬場 航

執行役員 │ PMO事業本部 事業本部長

2020年3月にボードメンバーとしてrayout株式会社に参画。コミュニケーションデザイン事業部の責任者として事業成長を牽引し、同部門を5億円規模まで拡大。現在は、社内プロジェクトの遂行を支援するPMO事業部の本部長を務め、これまでに500社・2,400件以上のプロジェクトに伴走している。

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