スポットPMとは何か?コンサルでもPMOでもない「進める役割」の正体

記事
吉田 壮汰

スポットPMという言葉が生まれた背景

「重要なのは分かっているんですが、正直そこまで大きな案件でもなくて…」

こういう相談、思い当たることありませんか?

後回しにできない、でも専任を置くほどでもない。
気づけば、自分が進行役まで抱えている。

そして、本来やるべき意思決定や企画に時間が使えなくなる。

このような状態、どこの会社でも起きているのではないでしょうか。
私のもとにも、よくこのようなご相談を頂きます。

AIによって社内の課題が見える化されるにつれ、社内プロジェクトの数は確実に増えています。
さらに、スピードも求められるようになりました。
それなのに、「進める役割」だけが増えていない。
だから多くのプロジェクトは止まってしまうのです。

スポットPMは、この現場の詰まりから生まれた考え方です。

▼そもそもPMとは?という方はこちら▼

コンサルやPMOと何が違うのか

「プロジェクトを進める」と聞くと、最初に思い浮かべるのはコンサル会社やPMOを担う会社ではないでしょうか。

コンサルティングは、調査や戦略設計、方針整理に強みがありますが、日々の会議運営や細かな調整まで担うケースは多くありません。
PMOは、大規模・長期のシステム導入やDXプロジェクトを前提とすることが多く、人事や新規事業、マーケティングといった社内プロジェクトにはオーバースペックになりがちです。
どちらも予算があり、専門性の高い、規模の大きいプロジェクトを担うことが多いのが特徴です。
IT系のプロジェクトが得意で、時間をかけて細かな要件定義を行うのに適しています。

ではスポットPMは何をするのか。

スポットPMは、プロジェクトの中に入り、実際に前へ進める役割です。
小さな社内プロジェクトにも参画し、定例会議を回してタスクを明確化。
緻密な戦略策定や進行の管理ではなく、とにかく「推進すること」にバリューがあります。
止まっていたプロジェクトがどんどん進んでいく、そんな感覚です。

外から答えを持ってくるのではなく、現場にある情報を整理し、関係者の認識を揃え、次の一歩をつくる。
「考えて終わり」ではなく、「完遂まで伴走する」。
この役割がいかに重要であるかは、プロジェクトを任されたことのある人なら分かるのではないでしょうか。

スポットPMが担う3つの役割

施策・プロジェクトの全体像を見える化する

プロジェクトが止まるとき、何が問題か分からなくなっていることが多いですよね。

課題や目的は何か、どこを誰が進めるのか、判断基準はどこなのか、施策同士の関連性は何なのか……

このようなプロジェクトの全体像を一度整理するだけで、「次に何をすればいいか」が見えてきます。

整理するというのは、資料として綺麗に落とし込めば良いということではありません。
関係者全員が同じ景色を見る状態をつくることです。
これができると、一気に前に進み始めます。

定例に入り「決まる・進む」状態をつくる

会議はやっているのに進まない、なんて状況よくありますよね。

アジェンダはあるけど、結局曖昧な状態のまま決まらず、話がまとまらなくて、方向性もバラバラ。
そして、誰がボールを持っているか分からない状態のまま次の会議に。
このままでは完遂できません。

スポットPMは定例会議の中で、

「今日は何を決める場なのか」
「次に進むための論点は何か」
「いつまでに誰が何をするのか」

を整理し続けます。

すると、会議が“報告の場”ではなく、“前進する場”に変わっていくのです。

丸投げではなく、共創として進める

外注すると、社内に何も残らない。
そんな経験はありませんか?

スポットPMは、丸投げ型ではありません。

そう聞くと不安になるかもしれませんが、丸投げ型の支援は「要件を渡して、外部が作って、成果物が返ってくる」というブラックボックス構造になりがちなのです。

一方でスポットPMは、「社内メンバーと同じ会議に入り、意思決定プロセスを可視化し、推進の型を一緒に設計する」という「プロセス共有型」の支援です。

スポットPMは、プロジェクトを“やってもらう”役割ではなく、“前に進める力”を一緒に実装する役割。
だから、やり方そのものが社内に残るのです。

なぜ今、スポットPMが必要とされているのか

昔は、大きなプロジェクトにだけPMがいました。

でも今は違います。

小さく始まる施策が増え、低予算かつ短期間で結果を出すことが求められていることが、rayoutの調査でもわかっています。

それなのに、「進める役割」は増えていない。

実際、本来やらなくてはいけない業務があるのにその傍らでプロジェクトを進行したり、プロジェクトを同時進行で任されている担当者を多く見てきています。

中には、意思決定に集中すべきポジションの人が、プロジェクト進行に追われていることも。

このような構造だから、重要なプロジェクトでも後ろにずれ、止まってしまいます。

スポットPMが向いているプロジェクトとは

スポットPMと特に相性がいいのは、

・コンサルを入れるほどではないが重要度が高い
・部門横断で調整が多い
・担当者が兼務している
・全体像が見えていない

といったプロジェクト。

言い換えると、「進める人がいないプロジェクト」です。

見えている課題をプロジェクトとして運び切る役割が、企業の中に不足しているときこそ、スポットPMが必要です。

スポットPMという選択肢の価値

これからの企業競争を分けるのは、課題を見つける「賢さ」や「正しさ」ではありません。
見えている課題を、どれだけ速く、確実に、新しい価値としてデリバリーできるかです。
プロジェクトを増やすことよりも、まずプロジェクトが進む状態をつくること。
その重要性はこれからさらに高まっていくはずです。

スポットPMは、新しい”役割”に近い存在。
専任を置くほどではない、でもこの機能がないと、プロジェクトは確実に止まります。
これまで社内の誰かが背負っていた役割を、機能として切り出しただけなのです。

「これ、うちのことかもしれない」
そう感じたなら、それが最初のサインかもしれません。


rayoutでは、課題のヒアリングからプロジェクトサクセスシートの作成までを無料で行っています。
自社の体制や施策が今どの状態にあるのか、まずは整理・診断するところからでも構いません。
お気軽にご相談ください。

執筆者

吉田 壮汰

吉田 壮汰

rayout株式会社 代表取締役

rayout株式会社 代表取締役。広告営業や経営者への取材・ライティングを経験したのち、26歳で動画制作のクラウドソーシング事業を行う企業にて執行役員に就任。事業を立ち上げ、4億円規模まで事業責任者として携わる。2019年にrayout株式会社を設立。社内プロジェクトの遂行を担うPMO事業を展開し、500社・2,400件以上のプロジェクトに伴走。

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