反応はいいのに受注に繋がらないのは何故か? 新規事業で「大量リード獲得」を狙う前に整備するべきこと

記事
堀井 志保里

展示会の反応はいいのに、なぜ受注につながらないのか

展示会では反応があり、話を聞く限りニーズもありそうなのに、見積もりまで行かない。
見積もりを出しても、受注につながらない。

このように、新規事業では「手応えはあるのに売上にならない」という時期がありますよね。
そんな時、「リード(見込み客)が足りない」と考え、さらに展示会や広告にアクセルを踏んでしまっていませんか?

「大量リード獲得」を狙う前に、受注に近づくための「売れる型」を整備すること。これが最短ルートです。
本記事では、このような課題を抱えている企業が陥りがちな状況と、その解決法を紹介します。

ビジネス側が少なく、技術側に負荷が寄っていないか

こうした事業でよく起きているのが、営業側の人数が少なく、それを補佐するために現場や技術側の負荷が大きくなっている状態です。

問い合わせ対応や見学対応、見積もり作成、営業向けの説明・・・と、本来の業務外のことを任せてしまっていませんか?

「案件を増やしたいのに、案件が増えるほど現場が苦しくなる」という状態になってしまっているのです。

売るための動きと作るための動きが、同じ人たちに重なっているこの状態は、健全ではありません。
営業側で上手く回る仕組みづくりが必要です。

見学が「案件化」しない構造的要因

見学やデモの場において、顧客が「とりあえず見に来た」という感想だけで終わってしまう。
その背景には、製品の定義や仕様が曖昧なことが原因であることも。

どこまでの機能であれば標準装備としてできるのか?
どこからがカスタマイズなのか?
それらを開発側に都度確認しなくてはいけない状況になっていませんか?

その結果、確認作業による停滞・離脱を招くだけではなく、無駄に高額な印象を与えてしまう可能性もあります。

製品仕様の不透明さがその足かせとなり、
顧客を次のステップへ導く導線が未定義のまま放置されてしまっているのです。

失敗の原因がわからないままの状態

さらに深刻なのは、こうした失注や離脱の理由が適切に分類・分析されず、現場でブラックボックス化している点です。

なぜ選ばれなかったのか、どの仕様がボトルネックだったのかという具体的なデータが蓄積されないため、技術サイドへのフィードバックも機能しません。

結果として、製品改善の方向性が定まらず、再アプローチの設計もできないまま、同じ理由での失注を繰り返すという負のループに陥っています。

この「現場の情報の断絶」こそが、プロジェクトが「見学」から先に進まない最大の要因となっているのです。

営業側が「自立して動けない」状況になっている

営業担当者の負担を増やしている要因は、「自律して動けない」状況になってしまっている場合も多いです。

提案書やFAQ、比較資料といった営業キットが不足していると、都度開発側等に問い合わせが必要になってしまいます。

さらに、具体的なターゲット像や「どの部署にアプローチすべきか」という攻略指針が不明瞭なことも、この問題を深刻化させています。
攻めるべき本丸が定まっていないため、自信を持って提案の口火を切ることができず、結果として有望なリードの掘り起こしが停滞してしまいます。

今、本当に取り組むべき「3つの勝ち筋」

このような状況に陥ったときに取り組むべきことを3つにまとめてみました。

① 「大量リード獲得」より先に「売れる型」を整備

現在の状態でリードを増やしても、勝てる蓋然性は低いままです。
まずはターゲットやペルソナをしっかりと言語化した上で、既存の見学や紹介、展示会反響を分析し、確実に受注へ繋ぐための導線を最適化しましょう。

その分析を元に、見学時のヒアリングシートや説明シナリオ、提案書やフォローアップメールのテンプレート等を作成し、見学から導入までの流れを型にしてしまうのが良いでしょう。

② 提案の「重さ」と「高額印象」を払拭する

標準仕様・オプション・個別開発の線引きを明確にします。

「ベースモデル + 選べるオプション」という見せ方に変えることで、提案のスピードを上げ、顧客が感じる心理的・金銭的ハードルを下げます。

③ 自走できる「営業キット」を整備する

「説明しやすい資料」「よくある質問(FAQ)」「具体的な導入ユースケース」を揃えます。

営業担当が自ら主導権を握って提案できる環境を整えることで、開発側のリソースを「フロント対応」から「開発・量産設計」へと戻すことで、プロジェクト全体のスピードを加速させます。

今必要なのは、営業強化より“全体を整理して進める役割”かもしれない

こういう状況になると、「営業を増やそう」「もっとリードを集めよう」という話になりがちです。
もちろん、それも必要です。

ただ、その前に必要なのは、全体を整理して、どこが詰まっているのかを見えるようにすることではないでしょうか。

こうしたことを横串で見て整え直し、前に進める役割がないと、新規事業はどうしても“頑張っているのに進まない”状態になりやすいのです。

その視点で見直してみると、今どこを整えるべきかが、少し見えやすくなるのではないでしょうか。


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執筆者

堀井 志保里

堀井 志保里

執行役員 │ PMO事業本部 PMOグループ グループマネージャー

7年にわたり、多様な業界で要件定義からアウトプットまでを完遂。
現在はHR・広報・経営企画領域を中心に、採用ファネル設計、業務改善、ブランド発信、UI/UX改善などを横断的に支援。
ユーザー体験(UX)を軸に組織と事業の解像度を引き上げ、変革をリードする。

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