前の章では、これからの時代の「仕事」はタスクを処理するものではなく、価値を創造するロールへと変わっていくと考察しまし、その中で、多くの人がエントリーできる価値創造型の仕事として、「PM」というロールの可能性に言及しました。
PMというロールについて考えてみる
ところで、「私の仕事はPMです」と自己紹介された際に、すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。PMという言葉は多くの業界でさまざまな使われ方をしており、定義が曖昧なままになっているのが現状です。
あえて強引にPM(プロジェクトマネージャー)を定義してみると、PMとはproject+manageという言葉で構成されます。それぞれの本質的な意味に近づけて訳すと、
projectは「特定の目標を達成するため、明確な期限を設けて計画的に実行される活動や業務」manageは「なんとかやり遂げる」「うまく扱う」「やりくりする」という意味合いになります。
つまりシンプルに定義すると、プロジェクトマネージャーとは「プロジェクトをどうにかしてやり遂げるロール」ということになります。
機能面から見るPMの定義
「PMとは、プロジェクトをなんとかする人」と定義しても、「具体的に何をする人なの?」という疑問が残ります。そこで次は、さまざまな業界で使われているPMの機能面における共通点を探っていきます。
【業界ごとのプロジェクトマネージャーの役割と業務イメージ】

こうして業界をまたいでPMの仕事を見渡してみると、どの業界のPMも突き詰めれば
① キャッチアップする
② 計画・タスクに落とし込む
③ 計画に沿って人を動かす
④ 適宜調整しながら前に進める
という役割が共通します。
業界によって「何に対して責任を負うか」と「誰を動かすか」という点は異なりますが、建設現場でも、ゲームの開発現場でも、PMがやっていることの本質的な役割は変わらないということに気づきます。
ここまでの内容を踏まえてPMを定義するなら、「背景をキャッチアップし、計画に落とし込み、人を動かし、柔軟に調整しながら、最終的にプロジェクトをやり遂げる人」ということになるでしょう。
PMの拡張性と可能性
「プロジェクトをどうにかしてやり遂げる」と聞くと、一見シンプルに感じるかもしれません。しかし実際には、背景のキャッチアップから始まり、仕様の策定、体制の構築、誰がいつまでに何をやるかのタスク計画、合意形成、そして遅延やイレギュラーへの咄嗟の判断まで、膨大なヒューマンスキルが求められます。
身近な例を挙げると、大人数の旅行やイベントの幹事です。行き先の候補を調べ、全員の希望をすり合わせ、予算を組んで、当日の段取りを決めて、トラブルがあればその場で対処する。あの一連の作業を経験したことがある人なら、実際の大変さと周りからの感謝の温度差が、割に合わないと感じたことがあるのではないでしょうか。
※ 普段そういった計画を友人や知人に任せきりの人は、感謝の言葉を5割増しで伝えるようにしましょう。
友人3〜4人との旅行ですら大変なのに、チームや部署を横断するプロジェクトマネジメントがどれほど大変か、想像に難くないはずです。
逆に言えば、AI活用や横断的なデータ基盤の整備により社内課題の見える化が進む現在、企業課題をプロジェクトで解決できる「PM人材」をいかに活用できるかが、これからの企業の競争力に直結するといっても過言ではありません。
私たちが再定義したい「PM」とは?
私たちrayout株式会社が目指す「PM」とはどのようなものか、少しだけ紹介させてください。
これまで見てきたように、PMとは特定の業界や専門知識に縛られた職種ではありません。「人と人の間に立ち、プロジェクトをゴールまで届けるコミュニケーションの専門家」である以上、その活躍の舞台は業界を問わず、世の中の課題の数だけ存在しております。
しかし現状では、PMという人材はまだ一部の大企業やIT業界を中心に活用されているに過ぎず、企業が活用するにはまだまだ身近な存在ではありません。その結果、会社で進めるべき施策やプロジェクトが後回しになり、社会と会社の両方で機会損失がおきている状態です。私たちが目指しているのは、PMという仕事を特別なものではなく、企業が当たり前に活用できるインフラにすることです。そのために、二つのことに取り組んでいます。
一つ目は、PMを多くの企業が当たり前に活用するカルチャーをつくること。PMというロールがあることを知らない企業に届け、施策やプロジェクトを開始する際に「まずはPMに依頼する」という意思決定が自然にできる環境を整えることです。
ここで大事なのが、PMというもののスコープや有用性を如何に変えていけるかという点です。現時点では、PMはコンサルと混同されがちなので「自社や業界のことを何も知らない外部の人に何ができるんだ」という商習慣としてのハードルが存在します。PMのスコープと有用性を正しく捉えることができれば、プロジェクトを前に進めるという点で、深い知見や業界ならではのトラックレコードはマスト要件ではなく、下記の4項目を抑えているPMであれば大体のプロジェクトを遂行できるケイパビリティは持っているのです。
① キャッチアップする
② 計画・タスクに落とし込む
③ 計画に沿って人を動かす
④ 適宜調整しながら前に進める
逆を言うと、PMとして活動する人たちは、知見やノウハウにあぐらをかかずに、しっかりとプロジェクトの背景をキャッチアップして、適宜柔軟な対応をしながら遂行していくと言う能動的な姿勢が必ず求められると言うことも認識しておかなくてはなりません。
二つ目は、多くの人がPMという仕事にエントリーできる仕組みをつくること。PMは生まれつきの才能ではなく、①〜④のサイクルを責任感を持って遂行する仕事です。業界経験や学歴に関係なく、「誰かの課題をプロジェクトで解決したい」という意志のある人が、PMとしてキャリアをスタートできる入り口を広げていきたいと考えています。
冒頭の問いに戻りましょう。「これからの20年、30年を見据えて、どのような仕事に就くべきか」。私たちの答えは変わりません。課題を発見し、人を巻き込み、プロジェクトとして解決していく。その経験を積める場所に身を置いてほしい、ということです。AIがどれだけ進化しても、「ラストワンマイルで人を動かす」ということを代替するのは、まだずっと先の話だと思っています。
最後に少しだけ宣伝
ここまで読んでいただいた方に、少しだけ私たちの取り組みを紹介させてください。
rayout株式会社では、「スポットPM」というサービスを提供しています。社内に推進できる人材がいない、でも進めなければならないプロジェクトがある。そんな企業に対して、PMをスポットで提供するサービスで既に企業の経営者、経営企画部門、人事部門、マーケティング部門の方から多くのご依頼を頂いております。
「まずPMに頼む」という選択肢を、もっと多くの企業に当たり前にしていきたいと考えています。社内のプロジェクトの推進にお悩みの方は、ぜひ一度スポットPMのページをご覧ください。
また、PMというキャリアに興味を持っていただいた方へ。業界経験や学歴は問いません。「誰かの課題をプロジェクトで解決したい」という気持ちがあれば、それがスタートラインです。一緒に働いてみたいと思っていただけた方は、ぜひ下記のフォームからご連絡ください。お待ちしています。