少人数の組織が、体系的に受注を増やすには?施策を成果につなげるための推進設計

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堀井 志保里

少人数の専門組織では、営業やマーケティングの課題が「施策不足」として語られることがよくあります。

ウェビナーをやってみたり、とにかく過去接点を掘り起こしてみたり、アライアンスを開拓してみたり、展示会に出てみたり……

やるべきこと自体はある程度見えているのに、それでも受注が体系的に増えていかないことがあります。
その原因は、施策そのものではなく、施策を成果につなげるための「推進の仕組み」が整っていないことにあります。

少人数組織で起こりやすいこと

少人数の専門組織では、営業やマーケティングの多くが、代表や一部のキーマンの経験・人脈・判断に依存しやすくなります。

もちろん、立ち上げ期においてはそれが強みになります。

代表が商談をつくって、専門性の高いメンバーが提案を行うことは多いでしょう。
既存のネットワークから紹介が生まれたり、個別の信頼関係から案件が進むことも。

こうした動きによって、初期の受注は生まれます。

一方で、組織として受注を継続的に増やそうとすると、このような壁にぶつかります。

  • 誰がどの施策を進めているのか見えにくい
  • 施策ごとの目的や優先度が曖昧になる
  • リード獲得後の追いかけが属人的になる
  • 商談化までの動きが担当者ごとにばらつく
  • 代表や役員に判断が集中し、推進が止まりやすい
  • 忙しくなると急にマーケ施策が後回しになる

結果として、施策はあっても受注活動が点のままになってしまいます。

必要なのは、施策を増やすことではなく、受注まで進め切る設計

受注を増やすためには、施策を増やすことも大切です。
しかし、少人数組織においては、それ以上に「施策を受注まで進め切る設計」が重要になります。

例えば、ウェビナーを開催する場合でも、開催そのものがゴールではありません。

誰に声をかけるのか、
いつまでに集客リストを作るのか、
誰が共催先と調整するのか、
参加者に対して、誰がどのタイミングでフォローするのか、
商談化しなかった先を、どのようにナーチャリングするのか、
次の施策にどうつなげるのか。

こうした一連の流れが設計されていなければ、施策は単発で終わってしまいます。

重要なのは、施策を「実施すること」ではなく、受注につながるところまで「推進すること」です。

少人数組織がまず整えるべき3つの推進設計

1. 受注までのプロセスを見える化する

まず必要なのは、受注までの流れを分解することです。

リードを獲得する→接点をつくる→商談化する→提案する→検討を進める→受注する

この流れを大まかにでも見える化することで、どこにボトルネックがあるのかがわかります。

受注が増えない原因は、リード数が足りないのか、商談化率が低いのか、提案後の追いかけが弱いのか、既存接点の活用ができていないのか。
プロセスが見えていなければ、改善すべきポイントも見えません。

2. 施策ごとに責任者と期限を決める

少人数組織では、全員が忙しいからこそ、施策が「誰かがやるもの」になりがちです。
しかし、営業・マーケティング施策は、責任者と期限が曖昧なままだと進みません。

大切なのは、施策を細かく分解し、誰が・いつまでに・何を完了させるのかを明確にすることです。

例えば、共催ウェビナーであれば、

  • 共催候補企業の選定
  • 打診文面の作成
  • 打診実行
  • 共催先との調整
  • 集客ページの作成
  • 告知メールの配信
  • 当日の運営
  • 参加者フォロー
  • 商談化状況の管理

といったタスクに分解できます。

ここまで分け、そしていつまでに誰がそのタスクを担うのかを決めることで、初めて施策は「企画」から「実行」に変わります。

3. 定例で進捗と論点を握る

少人数組織では、日々の業務に追われるほど、営業・マーケティング施策の優先順位が下がりやすくなります。

だからこそ、定例の場で進捗と論点を握ることが重要です。

今週進んだことや、止まっていることは何か?今判断が必要なことは?
次回までに完了させることは?商談化に向けて追加で打つべき手はあるか?

そういったことを、忙しくても毎週必ず確認することで、施策は止まりにくくなります。

定例を単なる『報告の場』にするのではなく、『受注を増やすための施策を前に進め続けるための推進の場』にすることが重要です。

代表やキーマンの力を、組織の力に変える

少人数の専門組織において、代表やキーマンの力は非常に重要です。
特に専門性の高いサービスでは、顧客の課題を深く理解し、提案の方向性を決められる人材は限られています。

ただし、その力に依存し続けると、受注活動はスケールしません。

大切なのは、代表やキーマンの頭の中にある勝ち筋を、組織で使える形に変えていくことです。

  • どのような企業に刺さるのか。
  • どのような課題を持つ相手が商談化しやすいのか。
  • どの切り口だと反応があるのか。
  • どのタイミングで個別相談につなげるべきか。
  • どの提案パターンが受注につながりやすいのか。

こうした知見を言語化し、施策や営業プロセスに落とし込むことで、個人の力を組織の力に変えることができます。

受注を増やす組織は、施策を“やり切る仕組み”を持っている

少人数組織が受注を増やすうえで、奇抜な施策が必要なわけではありません。
むしろ重要なのは、やるべきことを決め、優先順位をつけ、期限を切り、進捗を追い、商談化までつなげ切ることです。

つまり、受注を増やせる組織とは、施策をたくさん持っている組織ではなく、決めた施策を受注につながるところまで推進し切れる組織です。

やるべきことは見えているけど、なかなか進まない。
施策は動いているけど、受注につながっている実感がない。
代表や一部のメンバーに依存していて、組織として再現性がない。

このような状態にある少人数組織ほど、まずは受注活動の進め方を整えることが重要です。

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執筆者

堀井 志保里

堀井 志保里

執行役員 │ PMO事業本部 PMOグループ グループマネージャー

7年にわたり、多様な業界で要件定義からアウトプットまでを完遂。
現在はHR・広報・経営企画領域を中心に、採用ファネル設計、業務改善、ブランド発信、UI/UX改善などを横断的に支援。
ユーザー体験(UX)を軸に組織と事業の解像度を引き上げ、変革をリードする。

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